シンガポール企業のSDGsとサステナビリティ
本記事は、2018年にシンガポール政府より発刊されたシンガポールのSDGsに関するレポート『A SUSTAINABLE AND RESILIENT SINGAPORE』のリー・シェンロン元首相の前書き及びシンガポールのSDGsへのアプローチ概要の日本語要約です。また、SDGsを目的としたクロスボーダーM&Aが昨今増加していることから、当該クロスボーダーM&Aの完全実務ガイドの紹介も行います。
SDGsに関するリー・シェンロン首相(当時)の前書き要約
・ 持続可能な発展はシンガポールの発展に不可欠。
・ 2030アジェンダの17の持続可能な開発目標(SDGs)で多くの進展を遂げた。
・ 長期的な持続可能性を考慮した政策を策定し、自然を取り入れたガーデンシティを形成し、水やエネルギーを慎重に管理。
・ 教育や医療政策を充実させ、すべての子供たちに強力なスタートを提供し、高齢化社会を支援。
・ 気候変動に対する対策を実施し、2019年から経済全体にわたる炭素税を導入。
・ 持続可能な開発は国ごとに異なるが、共同の目標であり、他国の経験から学ぶ。
・ シンガポール協力プログラムで170か国以上から約12万人の公務員を訓練。
・ ASEANと協力して、テロリズム、サイバー犯罪、気候変動に対するレジリエンスを強化し、ASEAN経済のイノベーションを支援。
・ UNICEFやUN-Habitatと協力し、水関連問題や持続可能な都市化に関する能力開発コースを実施。
・ 世界都市サミット、シンガポール国際水週間、クリーンエンバイロサミットシンガポールなどの国際フォーラムを主催。
・ 2030アジェンダの持続可能な開発にコミットし、自主的国家レビューで進捗状況を共有し、将来の課題を振り返る機会とする。
・ 志を同じくするパートナーと共に、持続可能でレジリエントな未来を築くことを目指す。
シンガポールのSDGsへのアプローチ概要
・ 持続可能な発展はシンガポールの政策立案の基盤
・ 独立時、食料、エネルギー、水を外部に依存していた
・ シンガポールの先駆者たちは限られた資源で国家を発展させるための政策を策定
・ 教育、安全保障、インフラ、医療、住宅の発展に注力
・ 次世代の指導者たちは、人材開発や研究開発(R&D)に再投資し続けた
・ 経済発展と自然環境のバランスを維持
・ シンガポールは「ガーデンシティ」として広く認識されている
・ 統合された持続可能な政策のために「政府全体のアプローチ(WOG)」を採用
・ 持続可能な開発目標(SDGs)との整合性を高めるために省庁間委員会(IMC-SDG)を設立
・ 「全国的な、ボトムアップのアプローチ」を採用して持続可能な解決策を開発
・ 民間セクターや市民社会と協力し、フィードバックを活用して継続的な改善を図る
・ 今年のASEAN議長国として「レジリエントとイノベーション」をテーマに掲げる
・ 持続可能な発展は継続的な旅であり、絶え間ないコミットメントが必要
・ 次のセクションでは、SDGsの実施における進展と課題、機会を紹介
・ ストーリーボックスでは、SDGsの実施における経験の例を紹介
昨今、SDGsを目的としたクロスボーダーM&Aが増加している
昨今、SDGsを目的としたクロスボーダーM&Aが増加傾向にあるため、クロスボーダーM&Aの実務を解説して、企業の更なるSDGsの発展に役立てていただけますと幸いです。