東南アジアM&A解説シリーズ Vol.4: シンガポールM&A概況と特徴、M&Aのメリットと実例

「東南アジアM&A解説シリーズ」では、現地に常駐するASEANに特化したM&Aの専門家が、買いニーズがある日本企業様に向けに、検討すべき点や注意すべき点などの有用な情報を発信することを目的としています。
第4回では、M&Aのうち、シンガポールM&A概況と特徴、M&Aのメリット、実例について解説します。


1. シンガポールにおけるM&Aの動向(2023年)

東南アジアへの事業展開を考える日本企業において、シンガポールの地場企業の買収は、非常に重要な戦略的な位置づけとなっております。これは、東南アジア全体における日本企業のシンガポールM&A比率(見込)が過半数に近いことが物語っています。

背景として、クリーンな事業環境と政治体制を持つシンガポールは東南アジアのゲートウェイとして認知されており、外資規制も一部の業種を除きほとんどないことから、東南アジア展開の初めの第一歩として、選ばれていることが挙げられます。

2. シンガポールのM&A特徴

シンガポールのM&Aの特徴は、日本と似ており、後継者の不在による事業継承問題から企業売却を考えるケースが多いことがあげられます。子供を持たないことを選ぶ家庭や、子供が事業承継を望まないケースが日本同様に増えており、今後もシンガポールM&Aマーケットにおける、この傾向は続くと考えられます。

弊社はシンガポール現地企業側につくM&Aアドバイザリーでありますが、現地企業と対話をする中での肌感覚レベルで上記のことを実感をしています。

詳しくはコンフィデンシャルな内容を含むので、ここには書けませんが、弊社がM&Aアドバイザリーとして入り、M&Aを成立した現地企業オーナーの「会社という自分の子供が、自分の手から巣立ってしまったような気持ちだ」と少し寂しそうな声で教えてくれたこともあります。

利益が出ていても、やむにやまれぬ理由で売却にいたる企業オーナーの心情を理解することもM&Aを実行する上で大切な要素と言えるでしょう。

3. シンガポールのM&Aメリット

以下の3つがシンガポールにおけるM&Aのメリットと言えます。

  • ①シンガポールの魅力的な税制(法人実効税率17%)

  • ②外資規制の少なさ

  • ③安定した政治

シンガポールはASEAN各国の中で、一番国土の小さな国でありながら、日系企業のM&A件数が群を抜いて大きいというデータもあり、日系企業のシンガポールにおけるM&Aの期待度の高さが伺えます。

(当然、M&Aにおいては、現地企業と買い手企業との間でシナジーを生み出せるかどうかが最も大事なポイントです。)

4. シンガポールでのM&Aを検討中の企業様

弊社では、シンガポールはもちろんのこと、インドネシア、ベトナムの売り案件も取り揃えております。東南アジアへのM&Aという手法を使っての、進出、事業拡大にご興味のある日系企業様、「買い」側のM&Aアドバイザー様はお気軽にご連絡をください。

弊社のM&Aアドバイザリーサービスをご利用いただくことで、クロスボーダーM&Aを進める際、「売」企業様とのコミュニケーションが日本語で可能です。

弊社は日系として数少ないベトナムのM&A「売」企業を専門に扱うM&Aアドバイザリーサービスを提供しております。シンガポールの地にて2010年8月に創業をしたGlobal Gateway Advisorsという日系コンサルティングファームです。(M&Aアドバイザリーだけではなく、海外進出アドバイザリー、会計事務所の機能も持っています。)
弊社は、日本企業のM&Aによるシンガポール進出を促進するために、ベトナム現地の売り案件企業の発掘を愚直に実行しています。

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