シンガポールの就労ビザ大全 - EP・Sパス情報網羅(2025年4月1日更新)
日本人がシンガポールで就労する為には就労ビザ(EP/Sパス)が必要です。
シンガポールで1,000件以上の就労ビザコンサルティング、3,000件以上の学歴認証で培ったEP/Sパス取得ノウハウを共有させて頂いております。
日本人がシンガポールに旅行に来る場合、事前のビザ申請は必要なく、有効期間が滞在予定日数+6か月のパスポートを保有していれば入国時に30日間の滞在ビザが付与されます。 一方で、日本人が当地で働くためには、就労ビザの取得が必須になります。
この記事では、一般的なビザ申請(ベーシック部分)として、就労ビザ全体の概要から、就労ビザとして最も一般的なエンプロイメントパス(Employment Pass, 以下、「EP」)およびSパスの取得方法を見ていきたいと思います。
弊社は、シンガポールにおいて日系企業で唯一、就労ビザの申請代行ライセンスと、EPの申請について必須手続である学歴証明の第三者認証機関のライセンスを政府機関より付与されており、当地の日系企業で最も人材開発省(Ministry of Manpower、以下、「MOM」といいます)と頻繁にやり取りをしております。また、就労ビザについては、1,000件を超える申請を支援しており、これまでのところ全ての申請が許可されています。これらの知識や実務経験を基に、最新の動向や今後起こり得る改正についてファクトベースで解説をさせていただきます。
日系企業で唯一のビザ包括ライセンスを保有
就労ビザ代行ライセンス、MOM学歴認証機関
豊富な専門人材
日本人KAH、元MOM担当官、ローカルバイリンガルKAH
15年、4,000件以上の支援実績
日英対応でのシンガポールでの15年に渡る4,000件以上の支援実績
全業種で支援実績あり
金融、情報通信、製造、海運、建設、小卸売、サービスを中心とした全業種
在星日本人コミュニティへの寄付
認証機関で唯一、学歴認証サービスの売上の1%をJCCIへ寄付
MOM発給の就労ビザの申請代行ライセンス番号:23S2040
MOM選定の認定学歴認証機関:https://www.mom.gov.sg/faq/work-pass-general/what-are-the-requirements-for-a-verification-proof
まず手短に、シンガポールの労働市場の全体像を俯瞰してみましょう。
下表の通り、シンガポールは、永住権および外国人労働者(シンガポールパスポート以外を保有する人口)の割合が2024年6月末時点で39.7%と極めて高い国という特徴があります。
区分 | 人数 (百万人) | 割合 | 備考 |
---|---|---|---|
シンガポール人 | 3.64M | 約60% | ローカル国民人口 |
永住権保有者(PR) | 0.54M | 約9% | ローカルに含まれる |
ローカル合計 | 4.18M | 約69% | シンガポール人 + 永住権保有者 |
外国人合計 | 1.86M | 約31% | 就労者、帯同家族、学生含む |
区分 | 割合 | 備考 |
---|---|---|
EP(経営層・専門職) | 11% | Employment Pass |
Sパス(中技能) | 10% | S Pass |
WP(建設・製造・造船・プロセス以外) | 21% | ワークパーミット(低技能) |
WP(建設・製造・造船・プロセス) | 23% | 同上(別カテゴリ) |
MDW(メイド) | 15% | 家事労働者 |
外国人就労者の帯同家族など | 16% | 就労者の家族など |
学生ビザ | 5% | 留学生 |
自国の歴史において、優秀な外資系企業、外国人を世界から誘致することにより、その技術、ノウハウを取り込み発展してきた経緯があります。
ただし、特に2020年以降、シンガポールの外国人受入ポリシーは厳格化の一途をたどっており、人材開発省(Ministry of Manpower, 以下、「MOM」)は下記のようなポリシーを明確にしています。
シンガポールは、シンガポール人にはない能力やスキルを持ち、シンガポール人を「補完」できる質の良い外国人を受け入れることに注力していく。具体的には、各就労ビザのカテゴリーに相当するシンガポール人の上位3分の1と同等かそれ以上のレベルの外国人に対してのみ、就労ビザを発給していく。
管理職、専門職、経営層人材、高等技術者(以下、「管理職等」)に該当するシンガポール人を育てることを目的として、より公平な雇用機会を与える
このポリシーは現在においても上記と同様になります。
シンガポールにおける雇用に関する法令等の階層化をしたものが以下の図となります。
特に押さえておきたいのは、Fair Employment Practices -「公平な雇用慣行」という概念で、以下がポイントになります。
シンガポール人の「公平な雇用」を守るためのルールが、雇用法以外にも階層的に存在
法律の下層に位置づけられる「ガイドライン」は、法律を補完するものとして罰則規定もある
求人、採用~解雇までの「公平な雇用ルール」を規定
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シンガポールで就労するにあたり、取得可能な就労ビザとしては、以下の5つがあります。
この記事では、日本人の就労ビザの大部分を占める1. EP、2. Sパスについて詳細を解説し、3. PEP、4. Entre Pass、5. ONEパスについては制度概要となぜ一般的でないかの説明に留めることにします。
それでは、就労ビザの全体像を見ていきましょう。
就労ビザは5種類ある
下記の図が5つの就労ビザの概要をまとめたものになります。
見ていただければ分かる通り、PEPについては更新不可であること、Entre Passについてはその対象者が限定されること、ONEパスは月給30,000以上のトップタレントが想定されていることから、ほとんどのケースでEP、Sパスによる就労ビザの取得が選択されます。
ビザの種類 | EP | Sパス | PEP | アントレパス | ONEパス |
---|---|---|---|---|---|
対象者 | 専門職、管理職、経営層人材 | 中技能熟練労働者 | 専門職、管理職、経営層人材 | 外国人起業家 | 世界的トップ人材(ビジネス・文化・スポーツ等) |
企業スポンサー | 必要 | 必要 | 不要 | 新規申請時は不要 | 不要 |
最低給与(月額) | 金融以外:S$5,600 金融:S$6,200 ※年齢に応じて変動 |
金融以外:S$3,300 金融:S$3,800 ※年齢に応じて変動 |
年額 S$270,000 | なし | S$30,000 |
通常の発給期間 | 初回:最大2年 更新時:最大3年 |
最大2年 | 3年(更新不可) | 新規および初回更新:1年 2回目以降:2年(複数条件あり) |
5年(更新可) |
扶養家族ビザ | 可(S$6,000以上の月給) | 可(S$6,000以上の月給) | 可 | 可(事業支出や資金調達等の条件あり) | 可 |
その他の要件 |
以下のすべてを満たす必要あり:
|
MCF広告 | — |
以下いずれかを満たす必要あり:
|
— |
2024年10月更新:シンガポール政府、EORによる外国人の就労禁止を発表
MOMは、2024年9月、シンガポール国外の企業が雇用代行(Employer of Record, EOR)を利用して外国人従業員の就労許可証をスポンサーすることを禁止しました。
詳細はこちら→URL
それでは、就労ビザの一つであるEPの申請について詳しく見ていきます。
EP取得の要件を下記に一覧としてまとめました。
対象者 | 管理職、専門職、経営層人材、高等技術者で優れた大学の学位、専門的資格・スキルを有するもの | ||||
---|---|---|---|---|---|
申請方法 |
企業/申請代行会社が対象者の代わりに申請 弊社GGAがライセンスを保有する申請代行会社 |
||||
滞在可能期間 | 初回:最高2年間 更新時:最高3年間※IT業界は5年間あり | ||||
更新の可否 | 可能 | ||||
必要書類 |
パスポート、MOMの指定する認証機関による学歴証明書 弊社GGAが日系唯一の認証機関 |
||||
給与設定額 ※SATおよびCOMPASS上の金額基準は別途確認が必要 |
S$4,500〜 S$5,999 |
S$6,000〜 S$11,999 |
S$12,000〜 S$22,499 |
S$22,500〜 | |
扶養家族ビザ(DP)の申請 | |||||
DPの対象者 | − | 配偶者、21歳以下の未婚の子供 | |||
DPの就労可否 | 不可(DP保持者がEP/Sパス/Work Permitを取得する必要あり) | ||||
長期滞在ビザ(LTVP)の申請 | |||||
LTVPの対象者 | − | 内縁の妻、21歳以上のハンディキャップのある未婚の子供、21歳以下で養子の未婚の子供 | |||
LTVPの対象者 | − | − | 両親 | ||
LTVPの就労可否 | 不可(LTVP保持者がEP/Sパス/Work Permitを取得する必要あり) | ||||
政府サイト(MyCareersFuture)での求人広告 | 10名以上の従業員がいる会社の場合必要 *10名未満でも実施を推奨 |
10名以上の従業員がいる会社の場合必要 *10名未満でも実施を推奨 |
不要 *実務上、社内異動の場合は実施を推奨 |
取得の前提条件① シンガポール人への公平な雇用機会の提供
シンガポール政府は直近数年間、「シンガポール・コア」というスローガンのもとで、外国人(駐在予定の社員)と同等かそれ以上に能力のあるシンガポール人がいるのであれば、企業はシンガポール人を優先的に雇用するべきというポリシーを打ち出してきました。具体的にはFCF(Fair Consideration Framework, 公平な選考に関するフレームワーク)というルールを導入することで、全企業に対して、外国人の選定とEP申請の前に、まずそのポジションをシンガポール人向けに最低14日間広告しなければいけないというルールを課しています。ここで企業の求める要件に合うシンガポール人からの応募があった場合は、駐在員の派遣は取りやめて、そのシンガポール人を採用しないといけません。要件に合うシンガポール人がいなければ初めて、企業は、駐在員の選定や外国人の採用の検討を始めることができるというのが現在のシンガポール就労ビザ申請の原則です。
NTUC(シンガポール全国労働組合会議 - 従業員側)、SNEF(シンガポール経営者連盟 - 雇用主側)、MOM(人材開発省 - 政府機関)の3者間により、2016年に設立された非営利目的の法人形態(CLG)が、TAFEP(Tripartite Alliance for Fair and Progressive Employment Practices, 公正かつ進歩的な雇用慣行のための三者連合)という機関を傘下に設けています。
このTAFEPが、定めたTGFEP(Tripartite Guidelines on Fair Employment Practices, 公平な雇用慣行に関する3社間ガイドライン)を、外国人採用に特化してMOMがフレームワーク化したものが、FCF(Fair Consideration Framework, 公平な雇用の検討に関する枠組み)です。
現行制度では、求人広告を実施しなかったり、その内容や方法がシンガポール人に対して「不公平」や「差別的」であると当局に判断された場合、最大で2年間の就労ビザの発給・更新の一切の停止、最悪の場合は企業の代表者の禁固刑という厳しいペナルティがあります。
今後こうしたルールがより強制力を持った形で法律化されることも発表されています。これは、Work Place Fairness legislartion(WFL、、職場公平法)と呼ばれ、2023年2月に法制化委員会からの法制化に向けた中間報告書が提出されており、2023年8月に最終報告書が発行されました。
さらに2024年11月には、職場公平法に関する第1次法案(労働者を保護するための原則、紛争解決のプロセス、違反に対処する手段を定めたもの)が国会に提出されました。2025年中に職場公平法に関する第2次法案(紛争手続を詳しく説明し、労働争議法の改正を要求したもの)が国会に提出される予定です。2026年~2027年にかけて、両案を折り込んだ職場公平法が法律として施行される予定です。
発刊物のご案内
Workplace Fairness法最終レポート(日英対訳&導入手引き)
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※最終報告書の内容に加えて、企業が準備すべき規定・テンプレート集をまとめたパッケージ
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取得の前提条件② 最低適格給与
基本的な考え方としては、EP発給の最低適格給与はS$5,600以上で、学歴が高くて若い人材ほどS$ 5,600に近い金額でもEPが承認されます。反対に、年齢が高い方、より経験がある方については給与設定額を高くしないとEPが通らないことになります。45歳程度以上の人材については、若手人材の2倍近くとなるSGD10,700が最低給与です。
加えて、一般的に給与水準が高いと言われる金融セクターについては、最低給与設定額がSGD6,200となっています。こちらも一般業界と同様に、45歳以上のシニアレベルの人材については、若手人材の2倍近くとなるSGD11,800の最低給与が必要です。
また、帯同者がいるかどうかでもEPの給与設定額が変わってきます。
EPに紐づいた帯同者(配偶者、子供)向けの滞在ビザを発給する場合、EP保有者の最低給与額をS$6,000以上にする必要があります。 さらに、両親を連れてくる場合は最低給与額をS$12,000以上にする必要があります。
一般的にEPが取得できた場合、帯同者向けのDPおよびLTVPの取得難易度は低く、ほぼ確実に取得ができます。現状、帯同者に関しては学歴等を問われることもありません。2021年4月までは、シンガポールはDPのステータスでも別途LOC(Letter of Consent)という就業許可書を得ればシンガポールにて就労ができましたが、2021年5月1日以降、DPのステータスのシンガポールでのLOCを使った就労は原則禁止となりました。配偶者がシンガポールで就労するには、EPやSパス、Work Permit等の就労ビザを取得する必要があります。
取得の前提条件③ EP申請時の給与の定義と構成要素
EP月額固定給与は、月額基本給与と月額固定手当の合計となり、EP申請時の宣誓給与と同義となります。
月額基本給与とは、従業員自身や会社の業績に関わらず、また疾病休暇や有給休暇の有無に関わらず、月ごとに変動しない基本となる月給ことをいいます。
月額固定手当とは、月ごとに変動しない毎月の手当のことをいい、例としては、固定の食費手当や住宅手当などがあります。
月額固定給与には以下のものは含めることができませんので、注意が必要です。
変動手当
残業代、ボーナス、歩合給、年俸の補填
取締役会で決定された報酬、ストックオプション、配当による報酬
現物支給
雇用の過程で従業員が負担した費用を含む、あらゆる形態の払い戻し(経費精算)
報奨金
従業員のために行った拠出金を含む、雇用主が支払うべき年金基金への拠出金
外国人従業員の解雇、再雇用、退職時に支払われる謝礼
取得の前提条件④ COMPASSフレームワーク
現在は、①に記載した最低適格給与さえ満たせばEPの申請が提出でき、そこから先はMOMの個別審査によりEP発給の可否が決まるという仕組みになっています。しかしシンガポール予算案2022にて、EP申請事前評価フレームワーク「COMPASS」が、2023年9月より導入(更新申請については2024年9月より適用)されることが発表されました。COMPASSでは、個々の就労ビザ申請を6つの基準に基づいてスコア付けします。
2023年9月以降のEP申請では、
①EPの最低適格給与以上の月給を得る事
②COMPASSのスコアが政府基準の40点に到達している事
この2つの条件を満たなければそもそもEP申請が出せないという事になります。
6つの基準は以下の通りです。
EP最低適格給与は、候補者の年齢、業界経験年数、学歴等を、MOMが独自に持っている計算式に当てはめて算出されます。そのため、年齢が若い候補者であっても、その候補者のシンガポールでの月給が最低適格給与を満たす限り、EP申請は提出できます。※2023年9月以降は、COMPASSで40点取ることも同じく必須要件になります。
ただし、EPは「専門職・管理職・経営層人材」向けのビザです。社会人・業界経験の少ない若手については、本当に「専門職・管理職・経営層人材」なのか、またそういった職を全うできるだけの経験とスキルがある人材なのかといった部分に関して、EP申請提出後にMOMから追加調査が入るケースがよくあります。MOMに対して客観性・納得性のある説明ができないとEP申請は却下されてしまい、特にコロナ以降は、若手トレーニーのEP取得が非常に厳しくなっている状況です。
また、ローカル人材を無視した、若手駐在員ありきのEP申請を強行した結果、会社の就労ビザの発給の制限を受けるという、組織全体の問題に発展した日本企業も多くあります。
候補者自身の適正に加えて、ビザスポンサー企業の事業実態や財務基盤についても、EP申請後のMOMからの追加調査の対象となる場合があります。事業実態については、外国人を連れてくるだけの事業上のニーズやシンガポールでの事業の実態があるのかどうかという観点で、財務基盤については、その外国人の高い給与を払えるだけの売り上げが企業にあるのかという観点で、追加資料の提出が要求されることがあります。
特に近年、事業実態がない、現地での顧客や仕入先がいない、ローカルの雇用がないビジネスについては、外国人の就労ビザの新規申請や更新において、却下の連絡を受けるケースが多くなっています。
EP申請
それでは次にEPの申請方法を見ていきましょう。
ステップとしては大きく下記の7つに分かれますので、一つ一つ見ていきます。
まずはMCF広告プロセスを見ていきましょう。
MCFとは
シンガポールでは、2014年8月からローカルにも労働機会を公平に提供する目的から、企業に対し、EP申請前に政府(Workforce Singapore, WSGというMOMの下部機関)が運営する無料広告サイト(MyCareersFuture)での求人広告が義務付けられました。この広告の基本ルールは以下の通りになります。
・求人広告の対象にシンガポール人が含まれていること
・Tripartite Guidelines on Fair Employment Practicesに従っていること
・EP申請前に最低14日間の広告を行うこと
・広告内容に変更があった場合には、追加で14日間の広告を行うこと
・国籍、年齢、宗教、言語、性別、結婚の有無、家族構成で優越をつけないこと
また、EP申請予定者と役職、職務内容、職務要件、給与(レンジも可)を同じにして、広告を出す必要があります。ローカル候補者から応募があった場合には、応募要件を満たすかどうかを判断した上で、満たす場合には、採用面接を行う必要があります。
MyCareersFuture URL:https://www.mycareersfuture.gov.sg/
MCFの免除要件
このMyCareersFutureでの広告については、以下に該当する場合は免除されます。
番号 | 項目 | 留意点 |
---|---|---|
1 | 従業員が10名未満の企業 | 小規模企業については、事務手続きに必要なリソースが限られている等の理由で広告が免除となります。ただし、免除要件に該当していたとしても、採用においてシンガポール人を公平に考慮することが期待されます。 |
2 | EP申請者の月収がS$22,500以上の場合 | EP保有者の上位10%に相当する経営幹部や専門職を含む上級管理職が対象で、役職の性質上、企業に公募を義務付けるのは現実的ではないことから広告が免除されます。 |
3 | 国外からの社内人事異動(ICT)の場合 | シニアポジションまたは高等技術者に限定。国外支店等で1年以上の勤務歴が必要。雇用期間は最大5年、家族の帯同不可。組織図や職務内容説明も必要。※詳細は「社内人事異動(ICT)制度について」を参照。 |
4 | 国内の人事異動の場合 | 国内関連会社への転籍や、同一スポンサー下でのSパス保有者のEP申請などが該当。事業再編時にも対象になることがあります。 |
5 | 1か月未満等の短期ポジションの場合 | 一時的または非常に短期間の勤務に関しては、求人広告の免除が適用される場合があります。 |
上記免除要件に該当した場合でも、MyCareersFuture広告を行うことを政府は強く推奨しています。 近年では、EP申請後に「企業の採用プロセスの公平性を説明せよ」という質問が来るため、免除要件に該当したという理由でMyCareersFuture広告を行っていない場合、これらの公平性を企業自らで説明することが必要になります。これはなかなか簡単ではありません。
このため、EP承認を得る近道として、免除要件に該当してもMyCareersFuture広告を行うことをお勧めします。
ICT制度の概要
社内人事異動(ICT)でのMyCareersFuture適用除外を受けるためには、世界貿易機関(WTO)のサービス貿易に関する一般協定(GATS)やシンガポールが加盟している自由貿易協定の下で定められる「ICT」の厳しい定義を満たしている必要があります。
https://www.mom.gov.sg/faq/fair-consideration-framework/can-a-job-be-exempted-from-the-advertising-requirement-if-it-will-be-filled-by-an-intra-corporate-transferee-ict
A. 下記いずれかの職務に該当する高いレベルの人材であること
◆マネージャー
主に組織、または部門や小部門を指揮する。
スーパーバイザー職、専門職、または管理職の従業員の仕事を監督し、管理する。
雇用や解雇、その他の人事措置(昇進や休暇の許可など)を取る権限を持つ。
日常業務に対する裁量権を行使する。
◆Executive
主に組織全体のマネジメントの指揮をとる。
広範囲の意思決定権限を行使する。
ビジネスのより高いレベルのエグゼクティブ、取締役会、または株主からの一般的な指示のみ受ける (業務に関する細かい指示を受けるようなポジションではない)
◆Specialist
高度な専門知識を有する。
組織のサービス、研究、設備、技術、または管理に関する独自の知識を有する。
※WTOのMovement of natural persons (mode 4) under the Gats A Joint World Trade Organization-World Bank Symposium Geneva, 11-12 April 2002
Torsten Christen, German Ministry of Labour, Germany Mode 4 Trade – The Regulator's viewによると
ICTは、「シニアで専門的な人材(『一般的でない知識を有する者』)」に限定されています。
B. シンガポールの支店、関連会社、子会社に赴任する前に、シンガポール国外の会社に1年以上勤務していたこと
C. 1回の更新を含め、駐在期間の合計が5年を超えないこと
また、上記を証明するために、以下の提出が求められる場合があります。
a) 会社の組織図及びEP申請者の地位ポジション
候補者の上下2階層までの組織図で、下層ポジションについては、直属の部下全員の情報を記載することが必要です。
MOMの例では、HR・アドミン部門のヘッドをEP候補者とした時、部門の直属の部下が9名程度いるような組織規模を想定しています。
https://www.mom.gov.sg/-/media/mom/documents/services-forms/fcf_-_sample_organisation_chart_2.pdf?la=en&hash=67CB9432F56476A881CF6C395E0A61FE
b) Specialistである場合、EP申請者の職務記述書には、申請者が高度な専門知識を有していることを示す必要があります。
ICT制度のデメリット
上記のように使い勝手の良いICT制度ですが、コロナ禍の高い失業率を受けて、MOMは2020年11月以降、本ICT制度の運用厳格化を打ち出しました。これにより、ICTでEPを取得した場合、以下の制限が新たに課されることになりました。
・ICTを使ってEP申請を行った場合、DP(帯同家族のためのビザ)を発給することができない
・ICTを使ってEP申請を行った場合、シンガポールでの将来の就労やPR申請ができない場合がある
以下MOMサイトに明確に記載されていますので、ご確認ください。
https://www.mom.gov.sg/passes-and-permits/dependants-pass/eligibility
MOM公式サイトでは、「該当するFTA等で別途定めがない限りはDPやLTVPの発給は不可」とされておりますが、2022年3月31日現在、日星間のFTAにはそのような定めは無いため、日本人がICTでEPを取得した場合、DPの発給は不可だと考えられます。
2020年11月以降、ICTを使ってEPを申請する際には、上記の内容に同意する旨の同意書に本人がサインをして、システムにアップロードすることが求められるようになっています。MOMはメディアを通じて、この運用は、より多くの求人をMyCareersFutureに掲載するようにするためであるといった趣旨の声明を出しています。
このため、肩書を問わず、家族を帯同したい駐在員については必ずMyCareersFutureに求人広告を投稿するのが実務上の運用となっています。
MCFの広告給与
公平な雇用慣行(FCF)は、シンガポールのすべての雇用主が求職者を公平に考慮するための要件を定めています。雇用主は、年齢、性別、国籍、人種などの職務に関連しない特性に基づいて候補者を差別してはならないと書かれています。シンガポールの全ての雇用主は、公正な雇用慣行に関する三者構成ガイドライン(TGFEP)を遵守することが求められます。
このFCFにおける代表的な要件がMCF広告要件です。MCFは、シンガポール市民と永住権保持者のみが使用可能な政府が運営する無料の求人検索ポータルサイトです。MCFに掲載される求人広告の結果をEP申請時に用いる場合は、ローカル求職者向けに最低14日間連続で掲載を求められます。すなわち、FCFを遵守してEPを申請するために、MOMは全ての雇用主に対し、EP申請を提出する前に、MCFで連続14日間の広告を投稿し、能力に基づいて選考することを義務付けていることになります。MOMは、差別的であったり、職務を正確に表現していない広告に関連するEP申請を却下します。
MCFの広告においては、給与に関する広告の正確性が要求されています。提示される給与は明確かつ具体的で、一貫性がなければならず、広告される給与レンジは以下が要求されます。
・給与非公開求人は不可で、すべての候補者に見えるようにしなければならない。
・給与レンジが広すぎてはならず、投稿時の最高給与は最低給与の2倍を超えてはならない。例えば、最低給与が5,000ドルの場合、最高給与は10,000ドルを超えてはならない。
・EP候補者に提示された給与が含まれていなければならない。これは、駐在員のEP申請において、給与と手当を含める場合は、それに先立って行われるローカル向けの求人広告の給与レンジにおいても、給与と手当を含めた金額水準で、投稿をする必要がある。
次にSATを見ていきましょう。
MOMから年齢に応じて、いくらの給与額を設定すればEP、Sパスが発給されるかを確認するための簡易ツール(無料)が提供されていますので、採用のステップに進む前にEPが発給される給与額を確認する必要があります。
なお、2023年7月に改修が行われ、SATは、COMPASSのスコアリングツールと統合されて一括評価ツールとしてリリースされています。COMPASSのスコアリングは、企業の人員情報と合わせて評価がされるため、現在はMOMがリリースしているMyMOMプラットフォームに、会社の権限者のID(コープパス)を使用してログインして確認をする運用となっています。
なお、人材紹介会社経由の求人オファーの場合は通常、紹介会社側で給与設定額を調べた上で、求人のオファーが出されます。
このツールはあくまで参考として用いるものであって、実際の申請を行った際にビザが承認されるかは、別問題となります。
最低給与額については、以下の通り、年々上昇を続けており、2025年1月以降の新規申請からさらに引き上げされています。
【最低給与額の変遷※下記は23歳以下の場合の最低額であり、年齢により異なる】
SATツールURL:https://www.mom.gov.sg/eservices/services/employment-s-pass-self-assessment-tool
SATの最低給与額のみを確認する場合には以下のリンク先でも参照可能です。
https://www.mom.gov.sg/passes-and-permits/employment-pass/eligibility
EP宣誓給与のうち、月額固定手当は、EP申請時の月額固定給与(基本給与+手当)の大きな割合を占めてはならないとされています。これらの手当が固定で月によって変動しない場合は、基本給与に含めるべきであるとも記載をされています。
MOMは、通常、月額固定手当が、月額固定給与全体の過半数(Major Proportionという記載)を占めたEP申請については、却下を行うとされています。
(1) EP保持者にも現地雇用法が適用される
会社と雇用契約を結んでいるすべての現地従業員および外国人従業員は、特例が適用されない限り雇用法の適用対象となります。就労ビザを持つ外国人従業員は、外国人を雇用する際の雇用主の責任と義務を定めた外国人雇用法の対象ともなります。
(2) シンガポールにおける一般的な支払給与の定義
支払給与とは、雇用契約に基づいて行われた仕事に対して支払われる手当を含む報酬のことをいいます。
支払給与には以下のものは含まれません。
・滞在施設、光熱費、その他の設備の提供価値(The value of accommodation, utilities or other amenities)
・雇用主が負担する年金基金の保険料
・出張手当
・勤務中に発生した費用の支払い(経費精算)
・解雇または退職時に支払われる謝礼
・解雇手当
続いてCOMPASSです。COMPASSの概要は上記で解説済みのため、実務上のポイントについてお伝えします。
2023年9月以降、そのEP申請がCOMPASSフレームワークで何点となるかが事前に診断できる無料ツール(Pre-Assessment Tool)が公開されています。
上述の通り、2023年7月に改修が行われ、SATは、COMPASSのスコアリングツールと統合されて一括評価ツールとしてリリースされています。COMPASSのスコアリングは、企業の人員情報と合わせて評価がされるため、現在はMOMがリリースしているMyMOMプラットフォームに、会社の権限者のID(コープパス)を使用してログインして確認をする運用となっています。
さらにCOMPASSとも密接に関係する学歴証明についても解説します。
日本の大学卒業者で、C2の学歴要件で点数を得ようとする場合、MOMの指定する第三者証明機関の証明書の取得・提出が2023年9月1日以降の申請において必須となりました。
背景としては、偽造の卒業証明を用いて就労ビザの取得を試みる/取得したケースが後を絶たず、2021年7月の報道発表によれば、過去5年間で年平均660件の偽造証明が発見されたといわれています。また、前述の通り、COMPASSのポイント制で、学歴要件があり、証明書の真贋が極めて重要な意味を持つことも背景の一つです。
このため、MCF広告、SAT、COMPASSプロセス後、EP申請前に、EP取得予定者の卒業大学が実在しており、かつ、卒業証明書が真実のものであることを、MOMの指定する第三者証明機関が証明するプロセスが追加となりました。
注意点としては、MOMは、第三者証明機関に、企業から証明書の発注があった日付の確認を行うため、ローカル候補者に向けたMCFプロセス前に発注を行うと、その時点で既に駐在員が特定されていたとして、公平な雇用慣行違反になる可能性があるため、学歴認証の依頼のタイミングについては気を付けていただく必要があります。
日本人のEP取得者の場合は、学歴詐称は稀なケースと考えられますが、第三者による学歴証明に追加の時間がかかるため、赴任スケジュールの調整が必要となります。
学歴認証機関の一覧については以下のウェブサイトをご覧ください。
https://www.mom.gov.sg/faq/work-pass-general/what-are-the-requirements-for-a-verification-proof
適切なステップを踏んだ後に、いよいよEP申請手続に入ります。
Corppassを使ってmyMOMへアクセスし、EP申請作業を行います。 就労ビザ申請代行会社に依頼する場合は、代行会社所定の申込フォームがありますので、それを記載した上で、EP申請を代行してもらうことになります。
myMOM URL:https://www.mom.gov.sg/eservices/services/mymom-portal
EPの申請が承認されると内諾書を受領します。
EP申請後、特にMOMからの追加質問がなければ約2週間(10営業日)でIPA(In-Principle Approval Letter)を受領します。
IPAの有効期間は6か月となります。
受領したら、まずEPの滞在許可期間が何か月か確認しましょう(Period Granted (Months))という箇所です。
その後、申請した条件と相違がなければ、レターに、申請者、会社の代表者、申請代行会社(該当ある場合)のサインを取得した上で、MyMOMで以下の情報を送信します。
・申請者のパスポート情報
・旅行者ビザの情報
・滞在先住所
・EPカードの送付先
・SMSの受信先電話番号
・入国カードのコピー
・サイン済みIPA
・(必要に応じて)医療検査レポート
その後、通知レター(Notification Letter)が発行されますので、1か月以内にMOMへEPカード発行のアポ入れをする必要があります。
MOMのサイト上でEPカード発行訪問日を予約します。
Make, change or cancel appointment URL:https://www.mom.gov.sg/eservices/services/make-an-appointment
予約した日時にMOMを訪問し、顔写真と指紋登録を行います。
訪問先は下記の通りです。
Employment Pass Services Centre (EPSC)
The Riverwalk
20 Upper Circular Road, #04-01/02,
Singapore 058416
Service Centre Location URL:https://www.mom.gov.sg/contact-us/locations#Tab-EP
持参物は下記の通りとなります。
申請者のパスポート
予約確認書(Appointment letter)
通知レター(Notification Letter)
IPAと通知レターに記載のある書類
訪問後、2週間程度で、EPカードが指定の住所に郵送されます。
(1) 雇用主が給与を引き下げる場合
雇用主は、給与を引き下げようとする日から少なくとも1ヶ月前に申請を行います。EP保持者は、改定後の給与で引き続き現在のEPを保持する要件を満たす必要があります。そうでない場合、雇用主はEPをキャンセルし、引き続き雇用をする場合は、要件を満たすカテゴリーの就労ビザを新規申請する必要があります。
(2) 雇用主が給与を引き上げる場合
雇用主はMOMにすぐに通知する必要はありません。代わりに、雇用主がEP保持者のEPを更新する際に、給与の変更を更新申請と合わせて届出をすることができます。
(3) 外国人労働力法(EFMA, Employment of Foreign Manpower Act (EFMA) offences)の一般的な違反に対する罰則
EFMAの一般的な違反のひとつとして、就労ビザの申請または更新において虚偽の宣誓を行ったり、虚偽の情報を提供したりすることが含まれます。この違反に対する罰則は、最大でSGD20,000の罰金、または最長2年間の禁錮刑、もしくはその両方です。
法人契約・法人払いの家賃または、法人契約・個人払いの家賃がEP申請時における給与として含めても良いのかについては、シンガポールの雇用法、外国人雇用法(EMFA)、TAFEPの要求事項、FCF、MOMウェブサイト、所得税法といった複数のリソースを正しく網羅的に理解した上で、多角的に検討を行う必要があります。以下では、一般的なパターンとそれぞれの見解をまとめています。
形式 | 大家との契約相手方 | 大家への支払い | |
---|---|---|---|
(1) | 家賃手当(個人契約・個人払い家賃) | 従業員 | 従業員 |
(2) | 法人契約・個人払い家賃 | 雇用主 | 従業員 |
(3) | 法人契約・法人払い家賃 | 雇用主 | 雇用主 |
(1) 家賃手当(個人契約・個人払い家賃)
用語 | 家賃手当(個人契約・個人払い家賃) |
---|---|
全体評価 | ◎ |
大家との契約相手方 | 従業員 |
大家への支払い | 従業員 |
総額月額給与 | 基本給+家賃手当 |
純額月額給与 | 基本給+家賃手当 |
EP申請時の給与と構成要素に当てはまるか? | はい。例には、固定住宅手当が含まれている。ただし、昨今、MOMは、固定月額手当である場合、固定月額基本給に含めて、EP申請をすることを推奨している。 |
給与所得控除の対象となるか? | 家賃手当は基本給と共に従業員へ支払われるため、該当なし |
この形式は一般的ですか? | はい。従業員が契約し、支払いをする家賃について、会社がその一部または全部を手当として補助することは一般的です。 |
(2) 法人契約・個人払い家賃
用語 | 法人契約・個人払い家賃 |
---|---|
全体評価 | 〇 |
大家との契約相手方 | 雇用主 |
大家への支払い | 従業員 |
総額月額給与 | 基本給+法人契約・個人払い家賃 |
純額月額給与 | 基本給+法人契約・個人払い家賃 |
EP申請時の給与と構成要素に当てはまるか? | 住宅手当と現物支給のどちらにも当てはまらず、明示されていない |
給与所得控除の対象となるか? | 家賃手当は基本給と共に従業員へ支払われるため、該当なし |
この形式は一般的ですか? | 契約の相手方が会社か従業員は、家主の要求にもよる。このため法人が契約したとしても、基本給と共に従業員へ支払うケースは一般的であるといえる。 |
この形式がEP審査給与上の固定月額給与に含まれるかどうかは、複合的な要因により決定する必要があります。 また、申請後の政府からの質問や却下を見据えた対応が企業に求められます。このため、就労ビザの専門家による見解を得た上で、進めることをお勧めします。 |
(3) 法人契約・法人払い家賃
用語 | 法人契約・法人払い家賃 |
---|---|
全体評価 | △ |
大家との契約相手方 | 雇用主 |
大家への支払い | 雇用主 |
総額月額給与 | 基本給+法人契約・法人払い家賃 |
純額月額給与 | 基本給 |
EP申請時の給与と構成要素に当てはまるか? | 詳細はお問合せください。 |
給与所得控除の対象となるか? |
従業員が受け入れた宿泊施設の提供は、給与から控除することができる。 宿泊施設、アメニティ、サービスの提供に対する控除額の合計は、 提供された宿泊施設、アメニティ、サービスの価値を超えてはならない。 また、給与期間中の給与の25%を超えてはならない。 |
この形式は一般的ですか? |
会社が外国人従業員に対し、社宅を提供することは一般的であるが、 現在シンガポールでは一般的ではありません。詳細はお問合せください。 |
この形式がEP審査給与上の固定月額給与に含まれるかどうかは、複合的な要因により決定する必要があります。 また、申請後の政府からの質問や却下を見据えた対応が企業に求められます。 このため、就労ビザの専門家による見解を得た上で、進めることをお勧めします。 |
次は、もう一つの就労ビザ、Sパスの申請について見ていきましょう。まずはSパスの概要です。
対象者 | 中技能スキルを有し 一定レベルの学歴(大学・短大・専門学校等)、 技術者の場合は1年以上のフルタイム専門コースを修了した者 |
||
---|---|---|---|
申請方法 | 企業/申請代行会社が対象者の代わりに申請 | ||
滞在可能期間 | 最⾼2年間 | ||
更新の可否 | 可能 | ||
必要書類 | パスポート、MOMの指定する認証機関による学歴証明書、健康診断書 | ||
給与設定額 SAT上の金額基準は別途確認が必要 |
S$3,300〜S$5,999 | S$6,000〜S$11,999 | S$12,000〜 |
扶養家族ビザ(DP)の申請 | ✖ | ○ | ○ |
DPの対象者 | — | 配偶者 21歳以下の未婚の子供 |
|
DPの就労可否 | 不可(配偶者⾃⾝がEP/Sパス/Work Permitを取得する必要あり) | ||
長期滞在ビザ(LTVP)の申請 | ✖ | ○ | ○ |
LTVPの対象者 | — | 内縁の妻 21歳以上のハンディキャップのある未婚の子供 21歳以下で養子の未婚の子供 |
|
LTVPの対象者 | — | — | 両親 |
LTVPの就労可否 | 不可(LTVP保持者⾃⾝がEP/Sパス/Work Permitを取得する必要あり) | ||
政府サイト(Jobs Bank)での求人広告 | 10名以上の従業員がいる会社の場合必要 *実務上10名未満でも実施を推奨 |
10名以上の従業員がいる会社の場合必要 *実務上10名未満でも実施を推奨 |
取得の前提条件① Quota
まず注意したいのは、Sパスは、シンガポール人/PR従業員〇人に対して1枠 という形で発行される就労ビザになります。ローカル従業員が複数名いる企業を前提とした就労ビザですので、設立したばかりの新設法人や日本人ばかりの小さい所帯の企業等、シンガポール人/PRを雇用していない企業の場合は申請することはできません。
具体的には、企業全体の雇用人数に対するSパスの上限割合が定められています。2019年12月31日まで、Sパスを取得できる外国人の割合は企業全体の雇用人数の20%まで、サービス業に限っては15%までと定められていましたが、その後複数回に渡って割合の引き下げが発表され、現在では建設・製造、造船・加工関連関連で18%まで、サービス業で10%までとなっています。
ポイントは、この「企業全体の雇用人数」についてはEP等他のビザを持つ外国人はカウントされず、あくまでシンガポール人、PR(永住権)保持者、Sパス、ワークパーミットのみが計算対象になることです。
社内の計算対象となる人数を数え、それに対してSパスが何枠申請可能かを計算するというのが実務上のやり方になります。
Sパス(サービス業) | Sパス(建設・製造・造船・化学関連) | |
---|---|---|
割合上限 | 割合上限 | |
2021/1/1〜 | 10%まで | 18%まで |
2023/1/1〜 | 10%まで | 15%まで |
※簡便化のため、ワークパーミットは記載から除く
ここで言うシンガポール人/PR保持者ですが、最低月給がS$1,600以上で1人、S$800~S$1,599で0.5人とカウントされます。 国籍がシンガポール人でも、月給がS$800未満では数に入らないことに注意が必要です。
このSパス取得可能割合にも、シンガポール人を育て、シンガポール人の良質な雇用を拡大していきたいという政府の大方針が、数字として明確に表れた形になっているかと思います。
また、2022年9月1日より、最低月給がS$1,600に満たないローカルのフルタイム従業員を1名でも雇用していると、EP、Sパス、Work Permit等の外国人の就労ビザが発給できないルールが施行されています。
取得の前提条件② Levy
また、EPにはなくSパスにはあるものとして、Levy(外国人雇用税)の存在があります。 Sパスが発給されたその日から停止・失効する日まで、雇用主には支払い義務が生じるものです。
企業全体の雇用人数(シンガポール人/PR保持者)のうちSパス保持者の人数が10%を超えるとより高い税金が課されていましたが、2025年9月からは、これらの10%まで(Tier 1)と、10%以降(Tier 2)の雇用税の区分を廃止し、一律の雇用税の適用となります。
詳細と背景について触れると、シンガポール予算案2022において、2022年から2025年にかけて、このTier 1のSパスホルダーにかかる雇用税が段階的に引き上げとなることが発表されました。2025年9月1日以降は、Tier 1のSパスホルダーにかかるLevyがS$650まで引き上げられ、これによって、Sパスホルダーについては割合に関わらず、一人当たり一律S$ 650/月の税金がかかることとなります。
全体に占める割合 | Sパスー人当たり/月 | Sパスー人当たり/日 |
---|---|---|
最初の10%まで | S$ 650(25年9月~) | S$ 21.37(25年9月~) |
10%以上 | S$ 650 | S$ 21.37 |
※基本は月額での徴収、就業が一か月に満たない場合のみ日割り税率が適用されます。
取得の前提条件③ シンガポール人への公平な雇用機会の提供
この要件はこれまではEP申請の際にのみ求められてきたものでしたが、コロナによるローカル失業率の悪化とローカル人材の質の向上を目的として、2020年10月以降はSパス申請にも求められるようになりました。
シンガポール政府は近年、「シンガポール・コア」というスローガンのもとで、外国人(駐在予定の社員)と同等かそれ以上に能力のあるシンガポール人がいるのであれば、企業はシンガポール人を優先的に雇用するべきというポリシーを打ち出してきました。具体的にはFair Consideration Framework(公平な選考に関するフレームワーク)というルールを導入することで、全企業に対して、外国人の選定とEP申請の前に、まずそのポジションをシンガポール人向けに最低14日間広告しなければいけないというルールを課しています。ここで企業の求める要件に合うシンガポール人からの応募があった場合は、駐在員の派遣は取りやめて、そのシンガポール人を採用しないといけません。要件に合うシンガポール人がいなければ初めて、企業は、駐在員の選定や外国人の採用の検討を始めることができるというのが現在のシンガポール就労ビザ申請の原則です。
求人広告を実施しなかったり、その内容や方法がシンガポール人に対して「不公平」や「差別的」であると当局に判断された場合、最大で2年間の就労ビザの発給・更新の一切の停止、最悪の場合は企業の代表者の禁固刑という厳しいペナルティが用意されており、今後こうしたルールがより強制力を持った形で法律化されることも発表されています。
取得の前提条件④ 最低適格給与
給与設定額は長らく最低額がS$2,300でしたが、2020年1月1日からS$2,400、2020年10月1日からS$2,500と上がり続け、2022年9月1日からはS$3,000となりました。
また、40代半ば以上の年齢の候補者については、一般セクターで最低適格給与がS$4,500程度まで、金融セクターではS$ 5,500程度まで引き上げになっています。
政府は2023年9月1日と2025年9月1日にも最低適格給与の見直しを行うことを明言しており、2023年9月1日にはS$ 3,150 (金融セクターはS$ 3,650)への引き上げが確定、2025年9月1日にはS$ 3,300 (金融セクターはS$ 3,800) の引き上げが確定しています。
これに合わせて、40代半ば以上の年齢の候補者については、一般セクターで最低適格給与がS$4,800程度まで、金融セクターではS$ 5,650程度まで引き上げになっています。
【最低給与額の変遷※下記は23歳以下の場合の最低額であり、年齢により異なる】
いずれにしてもEPと比較すると低めに設定されているSパスの給与額ですが、こちらについても年齢・業務経験が最低給与に影響を及ぼすことに注意が必要です。 若く経験の少ない人材ほど低い給与設定額でも承認され、年齢が高くより経験を積んだ方についてはより高い給与設定でないとビザが承認されない傾向があります。
また、帯同者がいるかどうかでもSパスの給与設定額が変わってきます。
Sパスに紐づいた帯同者(配偶者、子供)向けの滞在ビザを発給する場合、Sパス保有者の最低給与額をS$6,000以上にする必要があります。 さらに、両親を連れてくる場合は最低給与額をS$12,000以上にする必要があります。
一般的にSパスが取得できた場合、帯同者向けのDPおよびLTVPの取得難易度は低く、ほぼ確実に取得ができます。現状、帯同者に関しては学歴等を問われることもありません。Sパスの配偶者がシンガポールで就労するには、EPやSパス、Work Permit等の就労ビザを取得する必要があります。
取得の前提条件⑤ 学歴
EPよりも制限の多いSパスですが、給与と同様、学歴要件はEPほど厳しくありません。EPが基本的に4年制大学卒業程度の学歴を求めるのに対し、SパスはDiploma、つまり卒業証書や修了証書を保持していれば良しとしており、一定レベルの学歴があれば、難易度はEPほどではありません。
また、技術者の場合は専門技能のコースにフルタイムで最低1年通学することとされており、SパスはEPと比較してより幅広い経歴の持ち主に対して門戸が開かれているのが特徴です。
Sパス申請
それでは次にSパスの申請方法を見ていきましょう。
ステップとしては大きく下記の7つに分かれますので、一つ一つ見ていきます。
まずはMCF広告プロセスを見ていきましょう。
MCFとは
シンガポールでは、2014年8月からローカルにも労働機会を公平に提供する目的から、企業に対し、EP申請前に政府(Workforce Singapore, WSGというMOMの下部機関)が運営する無料広告サイト(MyCareersFuture)での求人広告が義務付けられました。この広告の基本ルールは以下の通りになります。
・求人広告の対象にシンガポール人が含まれていること
・Tripartite Guidelines on Fair Employment Practicesに従っていること
・EP申請前に最低14日間の広告を行うこと
・広告内容に変更があった場合には、追加で14日間の広告を行うこと
・国籍、年齢、宗教、言語、性別、結婚の有無、家族構成で優越をつけないこと
また、Sパス申請予定者と役職、職務内容、職務要件、給与(レンジも可)を同じにして、広告を出す必要があります。ローカル候補者から応募があった場合には、応募要件を満たすかどうかを判断した上で、満たす場合には、採用面接を行う必要があります。
MyCareersFuture URL:https://www.mycareersfuture.gov.sg/
MCFの免除要件
このMyCareersFutureでの広告については、以下に該当する場合は免除されます。
番号 | 項目 | 留意点 |
---|---|---|
1 | 従業員が10名未満の企業 | 小規模企業については、事務手続きに必要なリソースが限られている等の理由で広告が免除となります。ただし、免除要件に該当していたとしても、採用においてシンガポール人を公平に考慮することが期待されます。 |
2 | EP申請者の月収がS$22,500以上の場合 | EP保有者の上位10%に相当する経営幹部や専門職を含む上級管理職が対象で、役職の性質上、企業に公募を義務付けるのは現実的ではないことから広告が免除されます。 |
3 | 国外からの社内人事異動(ICT)の場合 | シニアポジションまたは高等技術者に限定。国外支店等で1年以上の勤務歴が必要。雇用期間は最大5年、家族の帯同不可。組織図や職務内容説明も必要。※詳細は「社内人事異動(ICT)制度について」を参照。 |
4 | 国内の人事異動の場合 | 国内関連会社への転籍や、同一スポンサー下でのSパス保有者のEP申請などが該当。事業再編時にも対象になることがあります。 |
5 | 1か月未満等の短期ポジションの場合 | 一時的または非常に短期間の勤務に関しては、求人広告の免除が適用される場合があります。 |
上記免除要件に該当した場合でも、MyCareersFuture広告を行うことを政府は強く推奨しています。 近年では、Sパス申請後に「企業の採用プロセスの公平性を説明せよ」という質問が来るため、免除要件に該当したという理由でMyCareersFuture広告を行っていない場合、これらの公平性を企業自らで説明することが必要になります。これはなかなか簡単ではありません。
このため、Sパス承認を得る近道として、免除要件に該当してもMyCareersFuture広告を行うことをお勧めします。
MCFの広告給与
公平な雇用慣行(FCF)は、シンガポールのすべての雇用主が求職者を公平に考慮するための要件を定めています。雇用主は、年齢、性別、国籍、人種などの職務に関連しない特性に基づいて候補者を差別してはならないと書かれています。シンガポールの全ての雇用主は、公正な雇用慣行に関する三者構成ガイドライン(TGFEP)を遵守することが求められます。
このFCFにおける代表的な要件がMCF広告要件です。MCFは、シンガポール市民と永住権保持者のみが使用可能な政府が運営する無料の求人検索ポータルサイトです。MCFに掲載される求人広告の結果をEP申請時に用いる場合は、ローカル求職者向けに最低14日間連続で掲載を求められます。すなわち、FCFを遵守してEPを申請するために、MOMは全ての雇用主に対し、EP申請を提出する前に、MCFで連続14日間の広告を投稿し、能力に基づいて選考することを義務付けていることになります。MOMは、差別的であったり、職務を正確に表現していない広告に関連するEP申請を却下します。
MCFの広告においては、給与に関する広告の正確性が要求されています。提示される給与は明確かつ具体的で、一貫性がなければならず、広告される給与レンジは以下が要求されます。
・給与非公開求人は不可で、すべての候補者に見えるようにしなければならない。
・給与レンジが広すぎてはならず、投稿時の最高給与は最低給与の2倍を超えてはならない。例えば、最低給与が5,000ドルの場合、最高給与は10,000ドルを超えてはならない。
・Sパス候補者に提示された給与が含まれていなければならない。これは、駐在員のSパス申請において、給与と手当を含める場合は、それに先立って行われるローカル向けの求人広告の給与レンジにおいても、給与と手当を含めた金額水準で、投稿をする必要がある。
次にSATを見ていきましょう。
MOMから年齢に応じて、いくらの給与額を設定すればEP、Sパスが発給されるかを確認するための簡易ツール(無料)が提供されていますので、採用のステップに進む前にEPが発給される給与額を確認する必要があります。
なお、2023年7月に改修が行われ、SATは、COMPASSのスコアリングツールと統合されて一括評価ツールとしてリリースされています。COMPASSのスコアリングは、企業の人員情報と合わせて評価がされるため、現在はMOMがリリースしているMyMOMプラットフォームに、会社の権限者のID(コープパス)を使用してログインして確認をする運用となっています。
なお、人材紹介会社経由の求人オファーの場合は通常、紹介会社側で給与設定額を調べた上で、求人のオファーが出されます。
このツールはあくまで参考として用いるものであって、実際の申請を行った際にビザが承認されるかは、別問題となります。
SATツールURL:https://www.mom.gov.sg/eservices/services/employment-s-pass-self-assessment-tool
続いて、Quota計算ツールです。
現在の従業員構成から、Sパスの発給枠が何枠あるのかを計算できる簡易ツール(無料)がMOMから提供されていますので、採用ステップに進む前にこちらも確認する必要があります。 Levyがいくらになるかも示唆してくれるため、Sパス申請の前には必ず確認しておくべきツールといえるでしょう。
Quota計算ツール URL : https://www.mom.gov.sg/passes-and-permits/work-permit-for-foreign-worker/foreign-worker-levy/calculate-foreign-worker-quota
さらに学歴証明についても解説します。
Sパス申請における学歴や資格の申告は任意となっています。Sパス申請において取得予定者の学歴や資格を申告する場合、以下の通りであることを確認する責任があります:
学歴や資格が真正なものであること
認定された教育機関から授与されたものであること
シンガポール政府の定めるリストに教育機関がない場合は、MOMによって選定された学歴認証機関から、学歴認証レポートを取得し、提出する必要があります:
教育機関が発行した卒業証明書、公証人による証明書類、教育機関からの宣誓書や推薦状については、認められません。
すべての書類が整えば、Sパス申請を行います。
Corppassを使ってmyMOMへアクセスし、申請作業を行います。Sパス申請を申請代行会社に依頼する場合は、代行会社所定の申込フォームがありますので、それを記載した上で、申請を代行してもらうことになります。
myMOM URL:https://www.mom.gov.sg/eservices/services/mymom-portal
Sパス申請後、特にMOMからの追加質問がなければ3週間でIn-Principle Approval Letterを受領します。 IPAの有効期間は2か月となります。(SパスはEPよりも有効期間が短いため注意が必要です) 受領したら、まずビザの滞在許可期間が何か月か確認しましょう(Period Granted (Months)という箇所です)。 その後、申請した条件と相違がなければ、レターに、申請者、会社の代表者、申請代行会社(該当ある場合)のサインを取得した上で、EP Onlineで以下の情報を送信します。
・申請者のパスポート情報
・旅行者ビザの情報
・滞在先住所
・Sパスカードの送付先
・SMSの受信先電話番号
・入国カードのコピー
・サイン済みIPA
・医療検査レポート
シンガポール入国後、政府指定の健康診断を受けたら通知レター(Notification Letter)が発行されますので、1か月以内にMOMへカード発行のアポ入れをする必要があります。
MOMのサイト上でカード発行訪問日を予約します。
Make, change or cancel appointment URL:https://www.mom.gov.sg/eservices/services/make-an-appointment
予約した日時にMOMを訪問し、顔写真と指紋登録を行います。訪問先は下記の通りです。
Employment Pass Services Centre (EPSC)
The Riverwalk
20 Upper Circular Road, #04-01/02,
Singapore 058416
Service Centre Location URL:https://www.mom.gov.sg/contact-us/locations#Tab-EP
持参物は下記の通りとなります。
申請者のパスポート
予約確認書(Appointment letter)
通知レター(Notification Letter)
IPAと通知レターに記載のある書類
訪問後、2週間程度で、カードが指定の住所に郵送されます。
次に、EPホルダーの配偶者・お子様、Sパスホルダーの配偶者・お子様がシンガポールに滞在するためのDP(Dependant’s Pass)申請について見ていきます。
メインパスの給与設定額
まず前提として、DPはそれ単体で取得できるものではなく、EPまたはSパスがあって初めて申請できる、配偶者等に発給される家族ビザです。注意点としては、DPを発給するにはメインパス(EPまたはS パス)の保持者の所得が月S$6,000以上であることが必要とされている点です。それ以下の月給の場合はDPを申請することができませんので、配偶者自身で別途EPまたはS パス、お子様はStudent パスを取得するといった方法を考える必要が出てくるでしょう。
DP取得の要件を下記に一覧としてまとめましたので、もう少し詳細に見ていきましょう。
対象者 |
月給S$6,000以上のEP保持者・S Pass保持者の ・法的に婚姻関係にある配偶者 ・未満の21歳以下の子供(養子含む) ※2020年11月以降ICT制度を使って申請したEPの場合、DPの発行は不可 |
|
---|---|---|
申請方法 | 企業/申請代行会社が対象者の代わりに申請 | |
滞在可能期間 |
最⾼2年間 有効期間内であっても、 EPもしくはS Passが失効・キャンセルになった場合はDPも直ちに失効 |
|
更新の可否 | 可能 | |
必要書類 |
配偶者 パスポート 婚姻証明書 |
子供 パスポート 出生証明書もしくは養子縁組証明書 (12歳以下の子供のみ)ワクチン接種証明書 |
DP対象者と必要書類
DPの対象者は、EPまたはSパス保持者の法的婚姻関係にある配偶者(内縁関係は除く)または21歳以下の未婚の子供となります。子供に関しては、実子・養子いずれも含まれます。 配偶者については、2020年1月現在特に学歴・職歴は問われず、シンガポール政府に提出する書類もパスポートと婚姻証明書のみで良しとされています。子供についても基本は同様ですが、2019年2月より、12歳以下の子供に対してはワクチン接種証明書の提出が義務付けられましたので、注意が必要です。(詳しくはこちら)
2019年2月以降、上記のワクチン接種証明書承認にやや時間を要する現状となっていますが、それを除けば、基本的にEPまたはS パスが取得できればDP取得のハードルは非常に低いと考えて問題ありません。
また、DP保持者の方の就労可否については以下の通りとなります。
メインパスが | EPの配偶者 | Sパスの配偶者 |
---|---|---|
就労可否 |
2021年5月1日より不可 ※EP・Sパス・Work Permitを別途取得すれば就労可。 EP・Sパスを取得した場合、DPはキャンセルとなる。Work Permitの場合、メインのパスの有効期限に準ずる。 |
不可 ※EP・Sパス・Work Permitを別途取得すれば就労可。 EP・Sパスを取得した場合、DPはキャンセルとなる。Work Permitの場合、メインのパスの有効期限に準ずる。 |
DP保持者のシンガポールでの就労は?
以前はEPに紐づくDPホルダーの方であれば、企業からLOC(Letter of Consent)と呼ばれる就労許可書を出してもらえばシンガポールで就労が可能でした。しかし、2021年5月1日からルールが変更となり、自らがビジネスオーナーである等の例外を除き、EPに紐づくDP保持者であってもLOCを取ってシンガポールで就労することは不可となりました。DP保持者がシンガポールで就労したい場合は、EPやSパス、Work Permitを取得する必要があります。
2021年5月1日時点ですでにLOCを取って就労中のDPホルダーは、現在のLOCの有効期限が切れるまでは引き続き就労を継続することが可能です。
申請方法
それでは次にDP申請の流れを見ていきましょう。
ステップとしては大きく下記の3つに分かれますので、一つ一つ見ていきます。
まずはDP申請手続きです。
Corppassを使ってmyMOMへアクセスし、DP申請作業を行います。 就労ビザ申請代行会社に依頼する場合は、代行会社所定の申込フォームがありますので、それを記載した上で、DP申請を代行してもらうことになります。
myMOM URL:https://www.mom.gov.sg/eservices/services/mymom-portal
DP申請後、特にMOMからの追加質問がなければ1週間程度でIn-Principle Approval Letterを受領します。IPAの有効期間はEPに紐づくDPの場合は6か月、S Passに紐づくDPの場合は2か月となります。期間が異なるので注意しましょう。
受領したら、まずビザの滞在許可期間が何か月か確認しましょう(Period Granted (Months))という箇所です)。その後、申請した条件と相違がなければ、レターに、申請者、会社の代表者、申請代行会社(該当ある場合)のサインを取得した上で、MyMOMで以下の情報を送信します。
・申請者のパスポート情報
・旅行者ビザの情報
・滞在先住所
・DPカードの送付先
・SMSの受信先電話番号
・入国カードのコピー
・サイン済みIPA
・(必要に応じて)医療検査レポート
その後、通知レター(Notification Letter)が発行されますので、1か月以内にMOMへカード発行のアポ入れをする必要があります。
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EPホルダーの付き添いは特に必要とされていません。MOM担当者との英語での簡単なコミュニケーションに抵抗がなければ、DP取得予定の配偶者の方とお子様のみで訪問いただいて大丈夫です。 訪問先は下記の通りです。
Employment Pass Services Centre (EPSC)
The Riverwalk
20 Upper Circular Road, #04-01/02,
Singapore 058416
Service Centre Location URL:https://www.mom.gov.sg/contact-us/locations#Tab-EP
持参物は下記の通りとなります。
申請者のパスポート
予約確認書(Appointment letter)
通知レター(Notification Letter)
IPAと通知レターに記載のある書類
訪問後、1週間程度で、カードが指定の住所に郵送されます。
2019年2月1日より、12歳以下の外国生まれの子供に対して、DP、LTVP、STP取得時の予防接種証明書の提出が義務付けられました。従来比較的短期間で取得できていたお子様のビザですが、これによって取得までに約2カ月、もしくはそれ以上追加の時間を要するようになっています。
対象者 |
シンガポール以外の国で生まれ、初めてDP/LTVP/STPを申請する(※)12歳以下の子供 (※)上記ビザを取得したことがあるものの ①2019年2月以前に失効/キャンセルになっている場合、または ②2019年2月以降に失効/キャンセルになり、そこから30日以上経過している場合 についても予防接種証明が必要 |
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対象ワクチン | ジフテリア・麻疹 |
シンガポールでは、国内での感染症蔓延防止の目的で、シンガポール人とPR(永住者)に関しては従来から法律でジフテリア・麻疹の予防接種を義務付けていました。今回、感染症蔓延防止を更に強化する目的で、新たに保健省(MOH : Ministry of Health)がDP申請予定の外国生まれの子供にも義務付けを決定したというのが概要です。
接種必要回数
シンガポールの予防接種スケジュールに合わせて月齢・年齢毎に必要なワクチン接種回数が異なります。
月齢 | 接種回数 |
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0か月以上3か月未満 | ジフテリア:0回 麻疹:0回 |
3か月 | ジフテリア:1回 麻疹:0回 |
4か月 | ジフテリア:2回 麻疹:0回 |
5か月 | ジフテリア:3回 麻疹:0回 |
6か月以上12か月未満 | ジフテリア:3回 麻疹:1回 |
12か月以上15か月未満 | ジフテリア:3回 麻疹:1回 |
15か月以上19か月未満 | ジフテリア:4回 麻疹:2回 |
19か月以上13歳未満 | ジフテリア:5回 麻疹:2回 |
0ヵ月以上3ヵ月未満の新生児の場合はワクチンを接種している必要がありません。ただし、この場合も証明書の提出手続き自体は踏まなければならないことに注意が必要です。
注意すべきポイントとしては、このMOHへの予防接種証明書の提出・承認プロセスはDP申請前に完了させなければならないというところです。以下にてDP申請までの大まかなステップをまとめています。
申請書類の準備
申請には以下の4つの書類が必要です。
- A) Immunization Registration Form(予防接種登録フォーム)
MOH指定の英語フォーマットに記入し、医師のサインが必要です。
申請フォーム:https://www.nir.hpb.gov.sg/fcine/#/
ジフテリア・麻疹(必須)と、結核・B型肝炎・ポリオ(推奨)の接種履歴を記入し、未接種の場合は接種後に医師が署名します。かかりつけ医への相談が推奨されます。
フォーマットは英語ですのでその点にも注意が必要です。
- B) ワクチン接種履歴の原本コピー(日本のお子様の場合は母子手帳)
日本の場合、母子手帳の該当欄の原本コピーと英訳が必要。英語以外で記載されている場合は翻訳対応クリニックを検索の上、用意されると良いと思います。
翻訳の作成には準備に1〜2週間かかるため注意が必要です。
- C) 出生証明書(英語)
日本には出生証明書が無いため、戸籍謄本の英訳(翻訳証明付き)で代用可能。在シンガポール日本大使館での英語の出生証明書発行も可能。
配偶者のDP申請に必要な婚姻証明書についても同様に戸籍謄本の英訳か、大使館発行の英語婚姻証明書で対応することができるので、必要な分をまとめて申請しましょう。
在シンガポール日本大使館:出生証明書の詳細
- D) パスポートコピー
親と申請する子供のパスポートコピー。期限切れの場合、発行に最低1週間を要するため早めの確認が必要です。
HPBオンライン申請
4書類を揃えたら、Health Promotion Board(HPB)のオンラインサイトで申請を行います。
申請サイト:https://www.nir.hpb.gov.sg/fcine/#/login-register/register
氏名・メールアドレス・パスワード(12桁以上・英大小文字+数字)でアカウント作成後、必要情報入力・書類アップロード・手数料S$35支払い(VISA/Mastercard)で申請完了。
申請完了後、「HPB reference No」が発行されますので、メモを取っておきましょう。
HPB承認作業
申請後、HPBが情報確認を開始。通常10営業日(約2週間)かかります。承認されると登録メールに通知が届きます。2週間経過後も連絡がない場合はHPBに確認しましょう。
MOMシステム反映
HPB承認完了後、その情報はMOM(Ministry of Manpower)のシステムに反映されます。反映には約2週間かかります。
DP申請
MOMに情報が反映されると、12歳以下の子供のDP申請が可能になります。ビザ申請業者などを通じて申請される場合、ステップ2で発行されたHPB reference Noを共有しておきましょう。
このプロセスには、ワクチン接種、証明書作成などに加え、政府承認やシステム反映のための約1か月が必要となるため、早めの準備が推奨されます。
お子様の健康に関わる大事な手続きですので、医療機関に確認をしながら一つ一つご準備いただければと思います。
就労ビザの却下事例
シンガポールでは就労ビザの申請を上記に従って行ったにもかかわらず、申請が却下となってしまった、政府から質問を受けるケースがあります。いくつか実際の却下事例について背景の説明をします。
No. | 却下事例 | 背景 |
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1 | 会社が財務的に十分な体力が無いと判断されるケース |
コロナ禍において、業績が悪化した企業が増加。 ローカル従業員が整理解雇を受けるケースが多数発生。 ローカル従業員の雇用継続を目的として、整理解雇を行う場合には、事前にMOMへの届出を義務付け。 MOMは、整理解雇手当を含めたガイドラインを公表。 加えて、外国人(EP申請者)を雇用した場合に、財務的に十分な体力が無いと判断された企業が、却下を受けたケースあり。 すなわち、外国人を雇用するために、ローカル従業員が犠牲になるという事態は避けなければならないというのがMOMの見方。 |
2 | MyMOM上で売上高をアップデートしていないケース |
MOMは、整理解雇の兆候がある企業を事前に把握するために、全企業にMyMOM上で、Turnover(売上)のアップデートを要求。 ACRAに決算書やその内容を登記している企業であってもアップデートが必要(省庁間でシステムが連携していないため)。 シンガポールドルで入力する必要あり。 監査済みの数値か否かも選択する必要あり。 |
3 | 候補者の経歴と給与が見合っていないケース |
政府は、シンガポールコア(労働の中心はシンガポール人であり、外国人は労働市場に不足する高度な知識と経験を提供する補完的な存在であるという考え)を積極的に推進している。 日系企業のトップ~ミドルマネジメントの駐在員は引き続きシンガポールに来てほしい。なぜなら、この駐在員こそがローカルの雇用を生み出すポジションであり、このポジション無しには現地拠点の存続自体が出来ない可能性がある。 反対に、若手駐在員の場合は、トレーニング目的で来るケースが多い、人事権を持たない、ローカルで代替可能なスキルレスな人材が多いといった理由から、却下を出すケースがある。 MOMは高給を若手駐在員に払う代わりに、ローカルを育成してほしいと考えている。 |
ウォッチリスト
ローカル選考プロセスにおいて、政府が運営する無料求人プラットフォームであるMCF(MyCareerFuture)に最低2週間の求人広告を投稿する必要があります。この投稿期間中に募集があったローカル人材について書類選考と面接を行い、駐在者が当地で行う予定の仕事内容が出来ると企業が判断した場合には、そのローカル人材を採用することが求められます。反対に、募集時点でのローカル求職市場に、求人に合致する人材がいなかった場合には、外国人選考プロセスへ進むことになります。このローカル選考プロセスについて、外国人選考ありきのペーパーワークとして差別的なMCF広告を行った場合には、ワーストケースでは、企業が2年間の全ての就労ビザの新規申請および更新の停止という制裁措置を、政府より言い渡されます。これをFCFウォッチリスト(Watch List on Fair Consideration Framework )といいます。
このウォッチリストについて詳しくみていきます。
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下記三つのすべての要素が「Weak (弱い)」と評価された“Triple Weak”企業のリストです。
全従業員に占めるシンガポール人の割合
シンガポール国民の割合が低い場合、将来的にシンガポール人中心の「Singaporean Core」を実現するための人材育成面での企業努力
シンガポールへの経済的・社会的貢献度
ウォッチリストは、TAFEP(※)により監督・管理され、2016年以来、合計1,800社がウォッチリスト入りしたと報じられています。
日系企業もこのウォッチリスト入りは例外ではなく、特に2019年から2021年にかけては、多くの企業がリスト入りをし、多大なる経営資源を投入して、リストから外れるための構造改革を行いました。
2022年にCOMPASSが発表された後はリスト入りする企業は減少しましたが、現MOM長官であるタンシーレン氏は、COMPASS導入後は、企業を評価する基準の点数が低い企業に焦点を当てて再度ウォッチリストによる制裁を再開することを示唆しました。また、このウォッチリストはこれまでは匿名性でどの企業がリスト入りしているかは公衆縦覧されておりませんでしたが、職場公正法の法制化がされた後は、企業名が公開される可能性があることを示唆しています。
(※)The Tripartite Alliance for Fair and Progressive Employment Practices(公平かつ漸進的な雇用慣行のための3者間同盟)といい、2006年に、MOM、労働組合評議会(National Trades Union Congress, NTUC)、雇用主連盟(Singapore National Employers Federation, SNEF)の3者により設立された。
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1. TAFEPの定めるFair Consideration Frameworkに従っていない場合
2. 同業種と比較してローカルPMETの割合が少ない場合
3. 人種や国籍に偏重した採用を行っているというデータ上の事実やそれに関する苦情があった場合
4. 特定の産業を規制する他の政府機関からTAFEPへ依頼があった場合
4はブランケットクローズ(包括条項)的な位置づけで、多くは1, 2, 3の理由により、ウォッチリスト入りするものと考えられます。
このため、本稿では、1, 2, 3に焦点を当てて解説していきます。
1.TAFEPの定めるTAFEPの定めるFair Consideration Frameworkに従っていない場合
内容を解説する前に、基礎知識として、まず雇用法を含めた法体系について解説します。
シンガポールには雇用法(Employment Act)という法律が、雇用主と従業員との間で最低限守るべきものとして制定されており、それを補完する形でいくつかのガイドラインが出ています。
そのガイドラインの1つがFair Employment Practiceであり、更にそれを外国人雇用に特化してフレームワーク化したのが、MOM Fair Consideration Frameworkになります。
このフレームワークは、皆さんご存知の通り、外国人の就労ビザ申請時のMCF広告を要請しており、加えて、ウォッチリストやフレームワークに従わない企業に対する罰金などの定めがあります。
つまり、このフレームワークに従っていない(=MCF広告をきちんとやっておらず、外国人の採用時にローカルの雇用を考慮していない)ことが、シンガポール企業がウォッチリスト入りする1つ目の理由になります。
これには、MCFに決められた期間求人広告を出すだけでなく、職務要件に当てはまる候補者がいるかどうかのスクリーニングを行い、良い候補者がいれば面接をし、面接の結果まで含めて、文書として残しておくことが求められます。
最近では、スクリーニングのプロセスで求人広告の職務要件に書いていない理由でローカル候補者を不採用にした企業が、ウォッチリスト入りすると共に、企業全体でビザの発給・更新の停止措置を言い渡された例が複数確認されています。
また、候補者の職歴や経験が職務要件を満たしていない場合でも、考え得る政府の研修サポートなどを全て考慮した上で、スクリーニングをしたかも政府は目を光らせると発表しており、かなり厳格化の方向に動いています。
2.同業種と比較してローカルPMETの割合が少ない場合
これもまず基礎知識としてローカルPMETの定義を見たいのですが、これだという決まった定義はないため、概ね下記のように理解いただければと存じます。
シンガポール人&永住権保有者で、プロフェッショナル、マネージャー、エグゼクティブ、高度技術者の職種で就業している従業員。ただし、COMPASSにおいては月額給与がSGD3,000以上の従業員はPMETに該当することが定められた。
上記に該当する従業員の割合が、同業他社と比較して著しく少ない場合には、残念ながらウォッチリスト入りしてしまいます。
3. 人種や国籍に偏重した採用を行っているというデータ上の事実やそれに関する苦情があった場合
ローカルPMETの割合を増やすことと同様に、政府はシンガポール企業のダイバーシティを重視することを求めており、外国人就労ビザ保有者の国籍割合に偏重があるかどうかも見ています。
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対策としては以下のようなことが考えられます。
政府に対する公平な雇用主であることの宣誓
組織図、従業員リスト、職階・部門別の職務内容・職務要件の整備
フェアリクルートメントハンドブックの整備
経営層・人事部への研修と運用モニタリング体制構築
ここまで見てきた通り、シンガポールで外国人が就労するためには原則として就労ビザが必要です。 ただし、出張者がシンガポールで短期滞在して働く場合等は、事前に人材開発省(Ministry of Manpower, MOM)へ届出をすることで就労ビザの取得が免除される場合があります。 詳しく解説していきます。
シンガポールでの「滞在」は観光ビザ
前提として、日本人がシンガポールに来る場合、観光ビザのステータスで通常30日間の滞在が認められており、事前に日本で入国ビザの取得手続は必要ありません。また、その他に下記の要件は必ず満たしておく必要があります。
原則としてシンガポール出国のための航空券(オープンチケット可)を持っている
パスポートの残存有効期間は「滞在予定日数+6ヶ月以上」
その後、観光ビザを延長したい場合は、観光ビザの有効期限が切れる前(最低2営業日前)に、移民局(The Immigration & Checkpoints Authority, ICA)に対して、延長申請を行う必要があります。現在はこの申請手続はオンラインで出来るようになっており、申請承認後、最大で30日の追加滞在が認められます。
https://www.ica.gov.sg/visitor/visitor_extendyourstay
シンガポールでの「ビジネス」のうち就労ビザ免除申請の対象は?
上記の通り、出張者のシンガポールでの滞在自体は観光ビザの対応範疇になりますが、その出張者がシンガポールでビジネス活動をできるかどうかは、就労ビザの対応範疇になります。
就労ビザなしで可能な活動
まず、この「ビジネス活動」の定義について見てみましょう。 原則として、シンガポール法人とのサービス契約に基づかない業務については就労ビザなしでの対応が可能です。つまり、以下のような活動についてはそもそも就労ビザの免除申請も必要なく、日本のパスポートに付随した観光ビザのステータスのみで活動することができます。
社内会議への出席
シンガポールの得意先へのあいさつ回り、ビジネスパートナーとの会議への出席
視察ツアー
エキスポへの参加者としての参加
研修、ワークショップ、セミナーへの参加者として参加
※スピーカー、トレーナーとして参加する場合は就労ビザの免除申請が必要
※OJTの場合は就労ビザが必要
就労ビザの免除申請が可能な活動
上記以外のビジネス活動については原則として就労ビザが必要となりますが、特定の活動については、シンガポールに到着時にMOMに就労ビザの免除申請を行うことで、就労ビザの取得を免除してもらうことができます。 以下にざっと概要を羅列します。 各活動には様々な条件があります。詳細はMOMのウェブサイトに掲載されていますので、就労ビザの免除申請を行う際は必ずご自身でご確認ください。
仲裁・調停
エキスポ・展示会への出展
報道
シンガポール最高裁での司法関連業務
ジャンケット活動
撮影、ファッションショー
パフォーマンス(演劇、音楽等)
新しいプラント/機器/オペレーションの導入
セミナー、カンファレンスの開催
スポーツ
ツアーコンダクター
なお、これら特定の活動については、年間合計で90日まで申請を行うことが出来ます。
ですが、90日を一度にまとめて申請したとしても、シンガポールの1回あたりの滞在可能期間(通常30日、延長申請をした場合は最大60日。観光ビザに紐づく)が延長されるわけではないので、注意が必要です。
MOM (Eligible activities for a work pass exemption)
https://www.mom.gov.sg/passes-and-permits/work-pass-exempt-activities/eligible-activities
就労ビザ免除申請は、シンガポール入国直後に
就労ビザの免除申請は、オンラインで実施することが可能です。必要情報としては、以下になります。
名前、生年月日等の個人情報
パスポート番号と有効期限
入国カード番号
就労ビザ免除に該当する活動内容
活動期間
活動の場所
上述の3つ目の「入国カード番号」が必要になるため、チャンギ空港のイミグレーションを通過した後でないと物理的に申請はできませんが、一方で、就労ビザ免除申請は、「就労」にあたる活動がスタートする前に完了させる必要があります。つまり、空港のイミグレーションを通過し、業務をスタートするまでの間に手続きしなければならないということです。タイトなスケジュールで出張される方の場合、市内に向かうタクシーの中や、空港で迎えを待つ間に手早く済ませる必要が出てきますね。 不安な方は、弊社でも手続きを代行させていただくことが可能です。お気軽にお問合せください。