エネルギー・資源

東南アジアは急速な経済成長と人口増加に伴いエネルギー需要が増大しており、現状では化石燃料に大きく依存しているものの、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの潜在的可能性が非常に高い地域として注目されています。

国境を越えた電力取引の現状

国境を越えた電力取引、いわゆる「電力貿易」は、脱炭素化とエネルギー安全保障の両面で重要性が高まっています。世界各地で新しい国際送電プロジェクトが活発化しており、特に欧州では国境を越えた広域の電力取引が盛んです。例えば、ノルウェーと英国を結ぶNorth Sea Linkプロジェクトでは、2022年の干ばつ時にノルウェーが英国から電力を輸入するなど、双方向の電力取引が効果的に機能しました。また、フランスでは原子力発電所の運転停止による電力不足を補うため、他国からの大量の電力輸入が行われました。一方、アジア地域では日本と韓国のように送電網が孤立している国々も存在しますが、国際送電の実現により自然エネルギーの電力取引などの便益が期待されています。しかし、世界的には電力貿易の進捗はまだ遅れており、今後さらなる発展が求められています。

アジアの排出量動向

東南アジアは世界のCO2排出量の重要な割合を占めており、その影響は無視できない。2019年の世界のエネルギー起源CO2排出量のうち、アジア全体で約6割を占め、そのうち中国が29%、インドが7%、日本が3%を排出しています。東南アジアの主要国であるインドネシア、ベトナム、タイ、マレーシア、フィリピンを加えると、世界の排出量の半数近くに達します。この地域の多くの国々では、将来的な人口増加と経済成長が見込まれているため、CO2排出量の更なる増加が懸念されています。そのため、東南アジアにおける排出削減の取り組みは、現在の排出総量と将来的なエネルギー需要増加の可能性の観点から、世界全体の脱炭素化に向けて非常に重要となっています。

再エネ普及の現状

東南アジアの再生可能エネルギー市場は急速に成長しており、2010年から2022年の間に累積設備容量が33GWから102GWへと3倍以上に増加しました。この成長の80%以上は水力と太陽光発電が占めています。しかし、国別の発展状況は不均一で、2022年時点で地域の再生可能エネルギー累積設備容量の44%がベトナム1国に集中しています。東南アジアの再生可能エネルギー市場は今後5年間、年平均成長率7.4%で成長すると予測されていますが、現状では電源構成に占める割合は約4分の1にとどまっています。一方で、この地域の再生可能エネルギーの潜在力は非常に高く、特に太陽光発電のポテンシャルは現在の総発電量を大きく上回ると評価されています。

案件事例

欧州エネルギー企業の日本進出戦略策定およびM&A候補先発掘支援

欧州の大手エネルギー企業の日本進出における戦略策定およびM&A候補先発掘支援を実施。日本のエネルギー市場概況、フィージビリティスタディ、日本市場進出後の成長戦略を策定。

クライアント企業:欧州エネルギー企業

国と地域:日本

日本の貿易システム開発企業との業務提携による協働での東南アジア展開

日本および東南アジア圏で貿易管理システム開発サービスを提供している企業と、GPCグループのITコンサルティング企業が事業提携。企業の垣根を超えた相互リソース活用により、より多くの地域で、広範なDXサービスの提供をクライアントに対して提供可能な体制を構築。

クライアント企業:日本の貿易システム開発企業

国と地域:東南アジア全域

再生可能エネルギー企業の海外展開支援

日本国内のバイオマス発電施設における燃料調達課題の解決(Out-In)と、東南アジア圏での蓄電池事業の拡大(In-Out)の両面を成功に導くために、日本、スウェーデン、中国、シンガポール、ベトナム企業が参加するコンソーシアム型の事業スキームの取り纏めと、運営を支援。

クライアント企業:再生可能エネルギー企業

国と地域:東南アジア・中国・欧州

再生可能エネルギー企業の東南アジア展開支援

日本国内の再生可能エネルギー企業が買収したマレーシアの資源系商社のPMI支援を実施。現地代表者とのコミュニケーション、内部統制構築、本社への財務レポーティングを支援することで、現地事業の透明化を実現。

クライアント企業:再生可能エネルギー企業

国と地域:マレーシア

欧州エネルギー関連上場企業の日本市場におけるM&A戦略立案支援

欧州エネルギー企業の日本市場における新規事業分野でのM&Aの戦略立案を支援。対象事業についての大規模調査に加え、同業界のM&Aの動向を踏まえたM&A検討候補先の特定及び個社分析を実施。

クライアント企業:欧州エネルギー関連上場企業

国と地域:日本

EPC大手企業の地域統括会社のセットアップ支援

日本のEPC上場企業がシンガポール拠点を地域統括会社に転換する際の、主に人事領域を対象としたビジネストランスフォーメーションを支援。

クライアント企業:日本のEPC上場企業

国と地域:シンガポール

日本のエネルギー・資源会社の米国法人設立に係る税務ストラクチャー構築支援

日本のエネルギー・資源会社が米国進出を検討する際に日本国内における最適な税務ストラクチャー構築支援および米国税制の調査、ESG・SDGs投資状況の調査を実施。クライアントが網羅的な観点から米国進出検討が可能となった。

クライアント企業:日本のエネルギー・資源会社

国と地域:日本・米国

業界・事例

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